格言(読み)カクゲン

大辞林 第三版の解説

かくげん【格言】

短い言葉で、人生の真理や処世術などを述べ、教えや戒めとした言葉。「石の上にも三年」「沈黙は金」など。金言。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

格言
かくげん

人生の真理を簡潔にまとめ、訓戒または助言として有用なことば。金言、処世訓、箴言(しんげん)などともいう。『論語』に「格言成法」の語があり、法となるべき至言を格言としている。俗間に広く流布し、昔から言い伝えられているものを諺(ことわざ)、俚諺(りげん)という。英語のプロバーブproverbは処世訓を平明・簡潔に表現したもの。フランス語のマクシムmaximeは道徳律や人間の行動原理を簡明にとらえたもの。広義には、モットーmottoや警句(エピグラムepigram)なども含まれる。
 全体的特徴は簡潔性、通俗性、教訓性、一面性、語呂(ごろ)のよさなど。エラスムス『金言集』Adagia編纂(へんさん)の意図は、古典世界の英知を結集する金言が、歴史感覚の復活に有用と考えたからである。格言は、釈迦(しゃか)、孔子、キリストら聖者、プラトン、セネカら賢者、シェークスピアやゲーテら優れた作家、透徹した洞察力のパスカル、ラ・ロシュフコーらに代表される。『旧約聖書』「箴言」の一節「柔らかな答は憤りを鎮め、激しい言葉は怒りを呼ぶ」にみられる対句表現も一つの特徴。たとえば「馬子にも衣装」に対し、「人は見かけによらぬもの」など正反対の表現に真理の一面性がみられる。国民性や習俗の違いによる多様性は比較文化論の対象となる。[船戸英夫]
『『故事俗信ことわざ大辞典』(1982・小学館) ▽『故事名言ことわざ総解説』(1975・自由国民社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の格言の言及

【ことわざ(諺)】より

…【大嶋 善孝】
[中国の諺]
 中国では民間でいいならわされた語句の意味で,常言,俗語という言葉が用いられている。常言は日常の至言,俗語は民俗の語録で,この二つをあわせたものが本来の諺にあたるが,このほか教訓的な文句を格言,箴言,名言とよび,いくらか文人的な既成の慣用句を成言とよんでおり,これらにしても民俗から遠くはなれていない。また諧(かい)後感あるいは歇(けつ)後感といって,たとえば〈囲棋盤里下象棋(碁盤で将棋をさす)〉といえば,〈不対路数〉つまりまちがったやりくちを意味する下の句を暗示でとかせる一種のしゃれ言葉(歇後語)や,謎語も常言,俗語に重複している。…

※「格言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

多文化主義

マルチ・カルチュラリズムともいう。さまざまな人種,民族,階層がそれぞれの独自性を保ちながら,他者のそれも積極的に容認し共存していこうという考え方,立場。「人種のるつぼ」的な同化主義に対抗する考え方で,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

格言の関連情報