20世紀日本人名事典 「田村 泰次郎」の解説
田村 泰次郎
タムラ タイジロウ
昭和期の小説家
- 生年
- 明治44(1911)年11月30日
- 没年
- 昭和58(1983)年11月2日
- 出生地
- 三重県三重郡富田村富田(現・四日市市)
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学仏文科〔昭和9年〕卒
- 経歴
- 在学中から小説を書き始め、同人雑誌「東京派」「新科学的文芸」「桜」などに小説や評論を発表。昭和9年早大卒後、小説「選手」によって文壇に登場、以後めざましい活動をし文壇に確固たる地歩を固める。15年に応召、中国各地を転戦して21年に帰国。同年9月の「肉体の悪魔」と翌年3月の「肉体の門」で“肉体文学”の人気作家に。その後も「春婦伝」「女拓」「蝗(いなご)」などを発表したが、「肉体の解放こそ人間の解放」という従軍体験から得た主張は衝撃的で、「肉体の門」など作品の一部は映画化されて評判を呼んだ。また美術評論家連盟に所属し、美術品の収集家としても知られた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報