甲州印伝(読み)こうしゅういんでん

事典 日本の地域ブランド・名産品 「甲州印伝」の解説

甲州印伝[その他(工芸)]
こうしゅういんでん

北陸甲信越地方、山梨県の地域ブランド。
主に甲府市などで製作されている。江戸時代初期の寛永年間(1624年〜1644年)にインドの装飾革が幕府に献上され、その華麗さに影響を受けて国内でつくられた革製品印伝と呼ぶようになった。印伝は江戸時代には各地で製造されたものと推測されるが、いまでも製法が伝わっているのは甲州印伝のみ。江戸時代末期に現在の甲府市にあたる地域を中心に甲州印伝の産地が形成された。鹿革に漆で模様をつけるのが特徴。現在では財布ハンドバッグなどが製造をしている。山梨県郷土伝統工芸品。1987(昭和62)年4月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「甲州印伝」の解説

甲州印伝

山梨県甲府市、甲斐市などで生産される国指定伝統的工芸品。染色した鹿革に漆で模様をつけたもの。江戸時代には全国各地で生産されていたと見られているが、現在も製造技術が受け継がれているのは山梨県のみ。財布や巾着袋、ハンドバッグなどの加工製品がある。

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世界大百科事典(旧版)内の甲州印伝の言及

【印伝】より

…皮特有の適度の伸縮性があり,また染色性もよく,江戸・明治時代には袋物やタバコ入れとして珍重された。現在では山梨県甲府市にこの技法が伝えられ,甲州印伝と呼ばれている。これは主として型紙を用い,文様を漆で表したものである。…

※「甲州印伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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