男自物(読み)おとこじもの

精選版 日本国語大辞典 「男自物」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐じもの をとこ‥【男自物】

〘名〙 (副詞的に用いる) 男ではあるがの意か。おのこじもの
万葉(8C後)二・二一〇「吾妹子形見に置ける 緑児の 〈略〉烏徳自物(ヲトコジもの) 脇ばさみ持ち」
[補注]「体言」+「じもの」で、「犬(いぬ)じもの」「鴨(かも)じもの」などと同じ語構成と考えられるが、他の例では、たとえば「犬じもの」は、犬ではないが、犬のようにという比喩として用いられるのに対して、「男じもの」は比喩に用いられることはなく、もっぱら「男でありながら男らしくなく」と前者とは逆の意味に用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android