町御座船(読み)まちござぶね

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「町御座船」の意味・わかりやすい解説

町御座船
まちござぶね

町屋形船ともいう。江戸時代に大坂,江戸などの大都市の川筋で船遊び用に使われた町方所有の屋形船。賃貸しを通例としたので貸屋形船とも呼ばれた。江戸では船遊山が流行したとき,富有の商人たちが金にあかして豪華な船を競って建造したので,幕府は大きさや装飾に制限を加えた。以来,江戸の町屋形船は,極端に太い一本水押 (みよし) をつけるのを特徴とするほかは,板屋根で座敷数も少い簡素なものとなったが,それも次第に減少し,幕末期には小型で手軽な屋根船が圧倒的に多くなっていた。

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