化学辞典 第2版 「界面重縮合」の解説
界面重縮合
カイメンジュウシュクゴウ
interfacial polycondensation
重縮合をそれぞれの単量体が互いに混合しない二液相の界面で行わせる重合方法.二液相を静置したまま行う場合と,かくはんしながら行う場合とがある.もっともよく知られた例は,脂肪族酸塩化物と脂肪族ジアミンを原料としたナイロン合成である.たとえば,四塩化炭素632 mL にセバシン酸クロリド8 mL を溶かした溶液に,ヘキサメチレンジアミン4.34 g と水酸化ナトリウム3.00 g を含む水溶液3.74 mL を静かに加えると,その界面にただちにナイロン6-10の皮膜が生じ,これを引き上げると界面での重合が引き続き進行し,連続したロープとして巻きとることができる.この場合,水酸化ナトリウムは酸受容剤としてはたらき,反応を円滑にする.一般の重縮合では,系中の単量体のモル比を正確に等しくしないと重合度が大きくならないが,この反応では界面のみで重合が進行するため,系中全体でモル比が異なっていても高重合度が達成できる.界面への単量体の連続的拡散により,高重合度の重合体が得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報