畺良耶舎(読み)きょうりょうやしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「畺良耶舎」の意味・わかりやすい解説

畺良耶舎
きょうりょうやしゃ
(?―442ころ)

中国、南北朝宋(そう)代の西域(さいいき)の僧。サンスクリット名はカーラヤシャスKālayaśas。経律論の三蔵に通じていたが、とくに禅観をもっぱらにし、諸国に伝えた。424年(元嘉1)建康(南京(ナンキン))に至り、『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』『観薬王薬上二菩薩経(かんやくおうやくじょうにぼさつきょう)』を訳した。その後、江陵(こうりょう)(湖北省)に移住し、442年(元嘉19)岷蜀(みんしょく)(甘粛(かんしゅく)省、四川(しせん)省)に禅学を広めたが、のちに江陵に帰って没した。世寿60。『観無量寿経』は浄土経典として、中国、日本で盛んに用いられた。

柴田 泰 2017年1月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「畺良耶舎」の意味・わかりやすい解説

畺良耶舎
きょうりょうやしゃ
Kālayaśas

[生]383頃
[没]元嘉19 (442)
中国西域出身の仏教者。時称と訳す。阿毘達磨や律に通暁して,特に禅に優れていたといわれる。『観無量寿経』および『観薬王薬上二菩薩経』を翻訳した。

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