百名村(読み)ひやくなむら

日本歴史地名大系 「百名村」の解説

百名村
ひやくなむら

[現在地名]玉城百名ひやくな新原みいばる

玉城たまぐすく村の東に位置し、南東は海に面する。北隣の仲村渠なかんだかり村と併称してヒャクナ・ナカンダカリという。集落南東方の海岸部、現在の百名ひやくなビーチ・新原みいばるビーチの一帯藪薩やぶさつの浦原ともよばれ、沖縄の開闢神とされるアマミキョにかかわる藪薩やぶさつ御嶽浜川はまかわ御嶽・受水走水うきんじゆはいんじゆなどの霊地があり、現在でも東御廻り(アガリウマーイ)の拝所となっている。また浜川御嶽に近い海中にはヤハラヅカサとよぶ標識があり、アマミキョの上陸地点と伝承される。「おもろさうし」巻一七の五三に「一 ひやくな うらはへふけは(百名に浦南風が吹くと)/あおりやへ あんしおそい まふら(オオリオヘ〔神女〕は按司襲いを守ろう)/又 わかうらは うらはへ ふけは(我が浦には浦南風が吹くと)/又 おれつむ けもりやか たては(オレヅム〔三月ごろの雨が〕煙〔春霞〕と立つと)」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報