デジタル大辞泉
「春霞」の意味・読み・例文・類語
はる‐がすみ【春×霞】
《室町時代ごろまでは「はるかすみ」》
[名]春の霞。《季 春》「洛陽の朝餉過ぎたり―/蓼太」
[枕]同音の繰り返し、また、霞のかかっている状態から、「春日」「立つ」「井上」などにかかる。
「―春日の里の植ゑ小水葱」〈万・四〇七〉
「―井の上ゆ直に道はあれど」〈万・一二五六〉
[類語]霞・雲・霧・靄・ガス・スモッグ・雲霞・朝霞・夕霞・煙霞
しゅん‐か【春×霞】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はる‐がすみ【春霞】
- ( 古くは「はるかすみ」 )
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 春に立つ霞(かすみ)。古来、春の景物として歌や句によみ込まれることが多い。《 季語・春 》
- [初出の実例]「あをによし奈良山峡(か)ひよ白妙に此のたなびくは婆留加須美(ハルカスミ)なり」(出典:歌経標式(772))
- [ 2 ] 枕
- ① 同音の繰り返しで、地名「春日(かすが)」「かすみの浦」にかかる。
- [初出の実例]「春霞春日の里の植ゑ小水葱(こなぎ)苗なりと言ひし柄はさしにけむ」(出典:万葉集(8C後)三・四〇七)
- ② かすみが居(い)る意で、「居(ゐ)る」の「居」と同音の「井」にかかる。
- [初出の実例]「春霞井の上(へ)ゆ直(ただ)に道はあれど君に逢はむとたもとほり来(く)も」(出典:万葉集(8C後)七・一二五六)
- ③ かすみが立つ意で、「立つ」と同音の「起つ」「発つ」や、地名「龍田」などにかかる。
- [初出の実例]「人知れず思ふ心は春かすみ立ち出でて君が目にも見えなむ〈藤原勝臣〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九九九)
- ④ かすみがたなびく意で、「たなびく」の「たな」と同音「たな」を含む「棚無し小舟」にかかる。
- [初出の実例]「はるかすみたななし小舟入江こぐ音にのみ聞く人を恋ひつつ〈寂延〉」(出典:新勅撰和歌集(1235)恋二・七六五)
- ⑤ かすみが敷く意で、「敷く」や「しく」と同音を含む語にかかる。
- [初出の実例]「たとふべきかたこそなけれ春霞しきつの浦のあけぼのの空〈藤原兼実〉」(出典:続後撰和歌集(1251)春上・三九)
- ⑥ かすみがかかって直接に物が見えないところから、「よそに」にかかる。
- [初出の実例]「白妙の 衣の袖に 置く露の 消(け)なば消ぬべく 思へども 猶歎かれぬ はるかすみ よそにも人に 逢はんと思へば〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇一)
春霞の語誌
「万葉集」では春以外の季節に霞が詠まれる場合もあるが、「昨日こそ年は果てしか春霞(はるかすみ)春日の山にはや立ちにけり」(一八四三)のように、立春とともに霞が現われるという見方もすでにあり、平安期以降の和歌や物語は後者をもっぱら継承した。
しゅん‐か【春霞】
- 〘 名詞 〙 春のかすみ。はるがすみ。
- [初出の実例]「春樹春霞无二定粧一、霞紅樹緑錦成レ章」(出典:善秀才宅詩合(963)紅霞間緑樹〈源為憲〉)
- [その他の文献]〔張融文‐海賦〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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はるかすみ【春霞】
秋田の日本酒。酒名は、謡曲「羽衣」の一節「春霞たなびきにけり久方の」からとり命名。純米大吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、本醸造酒などをそろえる。平成1、2、4、5、11、12、15、16、18年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は酒こまち、山田錦など。仕込み水は奥羽山脈の伏流水。蔵元の「栗林酒造店」は明治7年(1874)創業。仕込み蔵はトンネル状に100mほど続き、「一本蔵」と呼ばれている。所在地は仙北郡美郷町六郷字米町。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
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春霞(はるかすみ)
秋田県、合名会社栗林酒造店の製造する日本酒。純米大吟醸酒「黒」「白」、純米酒「赤」、純米吟醸酒「緑」などがある。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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普及版 字通
「春霞」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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