皮膚生菌(読み)ひふせいきん(その他表記)dermatophyte

日本大百科全書(ニッポニカ) 「皮膚生菌」の意味・わかりやすい解説

皮膚生菌
ひふせいきん
dermatophyte

ヒトや動物の毛、皮膚、爪(つめ)などケラチンを含む組織に寄生する菌類(カビ類)をいう。これら菌類は、分類的には不完全糸状菌類Hyphomycetesモニリア目Monilialesに属するが、なかには、条件によって有性世代(子嚢(しのう)形成)をもつ。この場合はコウジカビ目Eurotialesギムノアスクス科Gymnoascaceaeに属する。皮膚生菌は、一般に水虫やたむしなどの諸症状をおこす。皮膚生菌は広く世界に分布し、動物体以外には土壌や鳥の巣のようなケラチンを含む基質中に分布する。代表的な皮膚生菌としてはハクセンキン属Trichophyton、小胞子菌属Microsporum、表皮菌属Epidermophyton(いずれもモニリア目)がある。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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