皮虫(読み)カワムシ

デジタル大辞泉 「皮虫」の意味・読み・例文・類語

かわ‐むし〔かは‐〕【皮虫】

毛虫古名
「―の蝶とはなるなり」〈堤・虫めづる姫君

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精選版 日本国語大辞典 「皮虫」の意味・読み・例文・類語

かわ‐むし かは‥【皮虫】

〘名〙 毛虫の古名。
※十巻本和名抄(934頃)八「烏毛虫 兼名苑云髯虫 一名烏毛虫〈加波牟之〉」
堤中納言(11C中‐13C頃)虫めづる姫君「かはむしは毛などはをかしげなれど」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「皮虫」の意味・わかりやすい解説

皮虫
かわむし

昆虫綱鱗翅(りんし)目のチョウやガの幼虫で、長い毛が多く生えたものの古い呼び名。現在ではこれらを毛虫(ケムシ)とよんでいる。古くは髯蟲または鳥毛蟲と書いたようであるが、カワムシとは毛生虫(けはえむし)がなまったものであるともいわれる。『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」にも、鳥毛虫(かはむし)がチョウになるところを観察し、その毛深いさまを見るという表現が用いられている。

[中根猛彦]

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