相当径(読み)ソウトウケイ

化学辞典 第2版 「相当径」の解説

相当径(相当直径)
ソウトウケイ
equivalent diameter

粉粒体の代表寸法,あるいは流体の流れる管路の代表寸法を表す場合におもに用いられる.前者の場合,粒子の形状が複雑であるとその大きさを簡単に表すことができない.そこで,その粒子と同体積の球形粒子を仮想し,この球の直径で粒子の大きさを代表させることがある(等体積球相当径).体積のかわりに,同じ表面積を有する球の直径(等表面積球相当径),同じ沈降速度を有する球の直径(沈降速度球相当径,ストークス(Stokes)径)などを用いることもある.つまり,相当径はある物理量から間接に求められたものであり,用いる際にはその区別を明確にしておく必要がある.一方の管路または溝渠(きょ)の場合には,流れに直角な断面において,流体が流れている部分の面積をA,伝熱の行われる伝熱辺長または流体が管路と接している周の長さ(これを浸辺長という)をlとするとき,4A/lをその流路の相当径(伝熱相当直径,流動相当直径(hydraulic diameter))といい,円管については管内径に等しくなる.相当直径を用いると,たとえば断面が円形でない流路の摩擦損失を求めるのに,円管について得られている結果を近似的に適用できる.なお,流動相当直径の1/4のA/l動水半径とよばれている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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