真慈悲寺(読み)しんじひじ

日本歴史地名大系 「真慈悲寺」の解説

真慈悲寺
しんじひじ

中世に百草もぐさにあったとみられる寺院。文治二年(一一八六)二月三日源頼朝は、寺領庄園がなく荒廃していた御祈祷霊場の武蔵国真慈悲寺のために有尋を院主職に任じ、一切経を安置して堂宇を修復させた。また建久三年(一一九二)五月八日、鎌倉雪下ゆきのしたの南御堂で営まれた後白河法皇の四十九日の忌日法要に、鎌倉鶴岡八幡宮など一五ヵ寺社の供僧らとともに当寺の僧三人が参列しているなど(吾妻鏡)、当寺は鎌倉幕府の祈願寺の性格をもっていたと考えられる。百草八幡宮所蔵の銅造阿弥陀如来坐像銘に建長二年(一二五〇)孟夏(四月)七日「武州 多西吉富 真慈悲寺」とあり、多西たさい吉富よしとみ郷に所在していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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