百草(読み)ももくさ

精選版 日本国語大辞典 「百草」の意味・読み・例文・類語

もも‐くさ【百草】

〘名〙
① 種々の草。たくさんの草。千草(ちぐさ)
古今(905‐914)秋上・二四六「ももくさの花のひもとく秋の野に思ひたはれむ人なとがめそ〈よみ人しらず〉」
※幸若・いるか(寛永版)(室町末‐近世初)「夫婦ともにももくさをとる手に付て」
② 一〇〇種の薬草を煮つめて練った胃腸薬。ひゃくそう。
※俳諧・犬子集(1633)一七「白き物こそ黒くなりけれ 百草を入るやうすき帋袋〈貞徳〉」
③ (「ももぐさ」とも) 植物まつ(松)」の異名。〔藻塩草(1513頃)〕

ひゃく‐そう ‥サウ【百草】

〘名〙
① いろいろの草。多くの草。ももくさ。千草。
※江吏部集(1010‐11頃)下・菊花未開「百草霑恩心竊侍」 〔荘子‐庚桑楚〕
百種の薬草を煮つめ練って作った胃腸の薬。信濃長野県)の御嶽山のものが有名。百草霜(ひゃくそうそう)
御湯殿上日記‐長享三年(1489)五月五日「けさ百さうの草ともとらせらるる」 〔本草綱目‐草部・雑草

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デジタル大辞泉 「百草」の意味・読み・例文・類語

ひゃく‐そう〔‐サウ〕【百草】

いろいろの草。千草。ももくさ。
黄柏おうばくのほか数種の生薬の水浸エキスで製した胃腸薬。信州御岳山のものが有名。御百草おひゃくそう

もも‐くさ【百草】

多くの草。いろいろの草。千草ちぐさ
「―の花のひもとく秋の野を」〈古今・秋上〉

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動植物名よみかた辞典 普及版 「百草」の解説

百草 (モモグサ)

植物。マツ科マツ属の常緑高木の総称。マツの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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