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小胞体 しょうほうたいendoplasmic reticulum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小胞体
しょうほうたい
endoplasmic reticulum

細胞質内にみられる袋状,管状の膜性構造物で,厚さ約 2~4nmの単位膜からなる。ERと略称する。核の外膜とのつながりが認められる。膜の表面にリボソーム粒子をもつものを粗面小胞体,もたないものを滑面小胞体という。粗面小胞体は蛋白質合成の場である。また粗面・滑面の両種とも膜内に水酸化酵素などいくつかの特徴的酵素活性をもつ。細胞を摩砕すると小胞体も分断されるが,これを超遠心分離法で集めたものをマイクロソーム画分という。

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デジタル大辞泉の解説

しょうほう‐たい〔セウハウ‐〕【小胞体】

動植物の細胞質中に網目状にある膜状構造の細胞小器官。細胞内の物質輸送の機能をもつ。表面にリボゾームが多数付着している粗面小胞体と、付着していない滑面小胞体とがある。ER(endoplasmic reticulum)。

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百科事典マイペディアの解説

小胞体【しょうほうたい】

電子顕微鏡により動植物の細胞質内で見られる扁平な袋状の微細構造。英語ではendoplasmic reticulumといい,ERと略記する。表面にリボソームが付着した粗面小胞体と,付着していない滑面小胞体とがある。

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栄養・生化学辞典の解説

小胞体

 ERと略称する.平たい内腔のある板が積み重なったような構造の細胞内器官で,外側にリボソームのついた粗面小胞体とそれのない滑面小胞体がある.前者は膜タンパク質や細胞外へ分泌するタンパク質を合成し,後者はステロイド合成,解毒,薬物の代謝などを行う.

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうほうたい【小胞体 endoplasmic reticulum】

ミトコンドリア,葉緑体やゴルジ体などと同じく細胞内にある膜様構造体で,ポーターK.Porterが1945年に発見・命名した。ERとも略記する。小胞体の膜構造はタンパク質と脂質からできていて層板状になっているものが多い。ラット肝細胞の中の膜構造分画のうち,小胞体膜は51%とその半分を占め,次に多いのがミトコンドリア33%,細胞膜7%である。タンパク質合成を行うリボソーム(径約15nm)が付着した小胞体を粗面小胞体,リボソームが付かないものを滑面小胞体という。

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大辞林 第三版の解説

しょうほうたい【小胞体】

細胞質内に網目状に連なる膜性の袋状細胞小器官。扁平・小胞・小管など種々の形をとり、タンパク質合成、脂質代謝および細胞内物質輸送などの機能をもつ。表面にリボソームが多数付着した粗面小胞体と、これを欠く滑面小胞体がある。 ER 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小胞体
しょうほうたい

一重膜で包まれ、袋の形をした膜状構造で、形や大きさは一定せず、ほとんどすべての細胞質内に存在する。小胞体の表面にリボ核タンパク粒子であるリボゾームが付着しているものを粗面小胞体とよび、リボゾームが付着していないものを滑面小胞体とよぶ。粗面小胞体はタンパク合成の場で、分泌機能をもつ細胞に多く含まれる。光学顕微鏡でいうエルガストプラズマは粗面小胞体の集塊に相当する。核DNA(デオキシリボ核酸)の情報を受け取った伝令RNA(リボ核酸)は粗面小胞体のリボゾームに付着し、転移RNAは情報に従って細胞質からアミノ酸を運ぶ。このアミノ酸を材料として、粗面小胞体はその細胞に特有なタンパクを合成する。一方、滑面小胞体は、分岐、吻合(ふんごう)した管状を呈し、この中には機能に応じて必要な酵素が局在している。それらの酵素は、肝の解糖と解毒、性腺(せいせん)や副腎(ふくじん)のステロイドホルモン合成、胃腺の塩酸分泌、横紋筋のカルシウムの取り込みと放出などの働きに関係がある。[小林靖夫]

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世界大百科事典内の小胞体の言及

【細胞】より

…また,真核細胞の著しい特徴は,細胞質の各種代謝機能が細胞質の部分構造と結びついて細胞小器官となり,分業化によって効率的に行われていることである。細胞小器官としてミトコンドリア,小胞体膜系と各種小胞ゴルジ体などがあり,植物細胞には葉緑体色素体,また,しばしば大きな液胞が発達していることなどは,原核細胞との大きな相違である。この相違は,真核細胞の起源を問題にするとき,説明されなければならない。…

※「小胞体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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