矢本宿(読み)やもとしゆく

日本歴史地名大系 「矢本宿」の解説

矢本宿
やもとしゆく

[現在地名]矢本町矢本

石巻いしのまき街道(金華山道)宿駅で、現在のJR仙石せんせき線矢本駅南方一帯に建設された。「封内風土記」に市店あり駅なりとあり、矢本町とも称された。寛文二年(一六六二)に竿入れが行われ、上町三町二八間、下町三町四四間からなる(安永風土記)。寛文年間に新田につた(現鳴瀬町)から集団移住があった。石巻への道は古くは南方海岸近くの当地浜須賀はますがから大曲おおまがりに入り、船でじよう川を越え門脇かどのわき(現石巻市)に至る通称浜街道が多く利用されたが、町が整備された寛文以後小野おの本郷(現鳴瀬町)から当町を経て、長さ一〇間、幅二間の定川橋を渡り、赤井あかい村へ入った。道沿いには松並木があったといわれ、現在一本だけ残り、一本松と称される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報