矢蔵下町(読み)やぐらしたちよう

日本歴史地名大系 「矢蔵下町」の解説

矢蔵下町
やぐらしたちよう

[現在地名]堺市熊野くまのひがし三丁

東天神前ひがしてんじんまえ町の東、絹屋町きぬやちよう筋を挟む両側町。「天王寺屋会記」天正六年(一五七八)六月一五日条に「やくら下衆」として当町の宗永(ならや)・正清(皮や)・道セい(ならや)・宗於(江藤)・宗寿(すたれや)の五名が津田宗及宅に招かれて書院で食事をしたことがみえる。なお永禄一一年(一五六八)一〇月に織田信長から要求された二万貫の矢銭を拒否した堺では、信長軍の攻撃に備えて「堀ヲホリ、矢倉ヲア(ケ)、事外用意共イタシ」ており(「天王寺屋会記」永禄一二年正月一一日条)、都市防御施設ともいえる矢倉(櫓)が当町にあったことも想定できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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