矢送庄(読み)やおくりのしよう

日本歴史地名大系 「矢送庄」の解説

矢送庄
やおくりのしよう

現倉吉市南端の小鴨おがも川中流右岸および矢送川流域に比定される皇室領庄園。建保二年(一二一四)二月一七日の平親範置文(洞院部類記)に「(矢)送庄」とみえ、親範(円智)は私領である当庄などを亡父範家が建立した護法寺(現京都市山科区)に寄進し、毎年八講布施料として銭一〇貫文を送ると定めている。ただし預所職は外孫の中納言典侍局に与えており、同職はのち葉室家へ伝領された。同置文によれば、護法寺の寺領は範家から五辻斎院(頌子内親王)に譲られたのち、後白河院に伝領され、当時は宣陽門院(後白河院の娘)領となっており、貞応三年(一二二四)以後と考えられる宣陽門院領目録(島田文書)に庁分の一として庄名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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