稲積(読み)にお

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

稲積
にお

刈取った稲束円錐形に積上げたもの。異名が多くイナムラ,イネコズミニュウニョウ,スズキなどともいう。今日では脱穀したのちわら束を積上げるワラニオが普通であるが,昔は穂のついたままの穂を積み,必要に応じて脱穀したものである。ニオの頂上にはわら帽子をつくっておおう習慣があり,本来ここが稲の収穫を祝う祭場であったらしい。沖縄ではニオをシラといい,それがまた産屋 (うぶや) をも意味している。このニオによって翌年の穀種が生育するという信仰があったらしい。

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世界大百科事典 第2版の解説

にお【稲積】

刈った稲を円錐形に積み上げたものをいう。ニオは新嘗(にひなめ)のニヒ,ニフのほか,ニエすなわち贄の語とも関連するらしい。神霊に捧げる供物という意味である。刈ったばかりの稲穂のついたままの束を積み上げた場所は,そのまま田の神をまつる祭場と考えられていたという説もある。稲積の名称や形状は,各地で少しずつ異なっており,ニオのほかニゴ,ミゴ,ニュウ,ニョー,ツブラ,グロ,スズミ,ススキ,ホヅミ,イナムラ,イナコヅミなどと呼ばれ,頂にワラトベ,トツワラ,トビなどと呼ぶわら製の笠形の飾りや屋根をのせるのが特徴である。

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世界大百科事典内の稲積の言及

【新嘗祭】より

…アヘは〈饗〉で神に食物を供えることないしは神人共食の意味である)らしく,ニフナミという東国風の音(《万葉集》巻十四)もあった。ニヒ,ニフは稲積(にお)を意味するニホとも関連が深い。北陸に民俗行事として伝承されるアエノコトや,関東の十日夜(とおかんや)などは,民間で古くから行われた収穫関係の行事で,ニイナメの基礎をなすものである。…

※「稲積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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