石井・ランシング協定

山川 日本史小辞典 改訂新版 「石井・ランシング協定」の解説

石井・ランシング協定
いしい・ランシングきょうてい

1917年(大正6)11月,石井菊次郎特派大使とアメリカのランシング国務長官の間で結ばれた中国に関する共同宣言。9月初旬からの交渉で,日本は中国における特殊利益を承認させることを主目標とし,アメリカ側は機会均等・勢力範囲撤廃の確約を求めてこれに反対した。日本は中国における門戸開放・機会均等・領土保全を認める一方,「合衆国政府は日本国が支那に於て特殊の利益を有することを承認す」との言葉を条文に挿入させることに成功した。日本側はこれを政治的特殊権益も保証されたものとし,アメリカ側は経済関係のみとするという解釈上のくいちがいを生んだが,協定は九カ国条約の締結で23年に廃棄された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報