朝日日本歴史人物事典 「石堂竹林坊」の解説
石堂竹林坊
生年:生年不詳
戦国・安土桃山時代の弓術家。竹林派の開祖。もと真言宗の僧侶で,近江国(滋賀県)吉田家の祈願僧といわれ,近江国蒲生郡須江村に住した。室町末期の乱世に直面し,吉田家に出入りして日置吉田流弓術を修行,天文20(1551)年ごろ,吉田家2代の一鴎入道から弓術印可を受けたとされる。しかし弓術に対する熱意が逆に禍して吉田家から追放され,高野山や吉野に転住した。『本朝武芸小伝』によれば,その後,清洲藩主徳川忠吉の弓術師範となり多くの弟子を育てた。竹林坊の名乗りをとって竹林派と呼ばれ,特に尾張,紀州で栄えて伝存している。<参考文献>石岡久夫『日本の古武術』
(藤堂良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報