石油火災(読み)せきゆかさい(英語表記)oil fire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石油火災」の意味・わかりやすい解説

石油火災
せきゆかさい
oil fire

石油火災は油面上でその蒸気が空気と混合して燃焼する。これを液面燃焼という。石油蒸気は石油の種類に応じた特定の濃度範囲にある場合にのみ燃焼する。たとえばガソリンは約 1.3~10.0%,灯油は約 1.1~6.0%,ベンゼンは 2.6~7.9%など。燃焼範囲の広いものほど危険である。容器中の石油が燃焼する場合,燃焼によって油面は時間とともに低下する。これを燃焼速度といい毎分のミリ数で表わす。直径 1m以上の容器における燃焼速度は,ガソリン 4.8,灯油 4.0,重油 1.7,ベンゼン 6.0mm毎分など。燃焼時の火炎温度は,ガソリン 1250℃,灯油 1210℃,重油 1150℃,ベンゼン 1190℃程度。水面に流出した石油は広い範囲に広がるが,これに着火すると石油の流出速度に見合った広さで燃焼し,それ以上には広がらない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android