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灯油 とうゆkerosene

翻訳|kerosene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

灯油
とうゆ
kerosene

原油を精製して得られる各種の石油製品のうちガソリンの次に高い沸点範囲 (常圧蒸留で 150~320℃) で採取される石油留分またはその精製品をいう。比重 0.8前後,引火点 40℃以上の多少揮発しにくい石油留分で石油製品独特の強い臭いを発する。精製したものは無色透明であるが,不純物などを含み淡黄色のものも多い。電灯が普及する以前に灯火用の燃料として広く用いられたので灯油という名がある。油種によるが原油処理の結果,約7%程度が灯油になるといわれている。直留灯油,分解灯油といった種別や色によって白灯油 (家庭燃料用) ,茶灯油 (石油発動機用) などの区別がある。おもに家庭用冷暖房厨房用燃料などに用いられる。また石油発動機などの燃料,ペンキ溶剤石油乳剤原料,機械洗浄用などに利用されている。公害規制強化により火力発電用燃料,ボイラ燃料など,工業用低硫黄燃料としての需要が高まってきた。

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デジタル大辞泉の解説

とう‐ゆ【灯油】

灯火用の油。ともしあぶら。
原油蒸留したとき、セ氏150~250度で留出する油。精製度の高いものは灯火・暖房用に、低いものは発動機燃料・塗料用溶剤などに使用。ケロシン

とぼし‐あぶら【灯油】

灯火用の油。多くは桐油(とうゆ)または菜種油。ともしあぶら。

ともし‐あぶら【灯油】

とぼしあぶら」に同じ。

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百科事典マイペディアの解説

灯油【とうゆ】

ケロシンとも。沸点160〜300℃の石油留分。かつては主として灯火用に使われたのでこの名がある。現在ではこんろストーブなど家庭暖房用燃料として最も多く用いられ,また農業用発動機などの燃料として使われる。
→関連項目軽油石油石油機関

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世界大百科事典 第2版の解説

とうゆ【灯油 kerosene】

ケロシンともいう。沸点およそ160~300℃の石油留分で,家庭の暖房・厨房(ちゆうぼう)用に,また石油発動機用燃料や溶剤に使用される。古くはおもに灯火用燃料として用いられたのでこの名がある。JISでは1号灯油と2号灯油に分類されている。一般にいわれる白灯油は1号灯油に,茶灯油は2号灯油に相当する。 1号灯油の用途は灯火用および暖房・厨房用燃料であり,こんろやストーブに使われる。この用途に適する灯油としては,(1)燃焼性がすぐれていて,煙の出にくいこと,(2)腐食性物質や悪臭物質を含まず,燃焼排気がきれいであること,(3)引火点が高く,取扱いが安全であること,などが要求される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

灯油
とうゆ
kerosene

原油の常圧蒸留におけるナフサと軽油の間の留分で、比重0.76~0.82、沸点150~270℃の油。以前はおもに灯火用に用いられたので、このようによばれている。ケロシンともいう。灯油はJIS(ジス)(日本工業規格)により1号と2号の2種類に分けられる。1号はいわゆる白灯油であり、灯火用および暖房・厨房(ちゅうぼう)用燃料に用いられる。原油の常圧蒸留により分け取った灯油留分を水素化脱硫処理により硫黄(いおう)分を0.0080%以下にしたものであり、無色の油である。2号はいわゆる茶灯油であり、石油発動機用燃料、塗料用溶剤、洗浄用などに用いられる。硫黄分は0.50%以下と定められているので水素化脱硫を省略し、原油の蒸留により得られる灯油留分をそのまま用いることもある。
 灯油は比較的安全で取扱いも容易であり、しかも安価であるため、日本においては家庭暖房用燃料として石油ストーブなどを中心に需要が増大してきたが、原油中の灯油留分は原油ごとにほぼ一定であるため、灯油だけを多量に生産することはできない。灯油の生産量は石油製品全体の12~13%である。また、ジェット燃料(航空タービン燃料油)の沸点は灯油と重複しているため、ジェット燃料の需要の増大は灯油の生産を圧迫する。[難波征太郎]

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世界大百科事典内の灯油の言及

【ナタネ(菜種)】より

…またナタネ油かすは綿実油かす,干鰯とならぶ最も優れた近世の肥料となった。しかし,ナタネは江戸での灯油需要の確保のため,幕府から他に類をみない厳しい統制をうけた作物であり,販売価格もおさえられがちであった。このためナタネは,作付面積,反当収量の多いナタネ作地帯でも,綿作のようにそれのみで農業の拡大再生産が可能なほどの有利な商品作物とはなりえなかった。…

※「灯油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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