礬水・陶砂(読み)どうさ

精選版 日本国語大辞典 「礬水・陶砂」の意味・読み・例文・類語

どう‐さ ダウ‥【礬水・陶砂】

〘名〙 (古くは「とうさ」か) 古くは明礬(みょうばん)のこと。後には明礬をとかした水に膠(にかわ)の液をまぜたものをいう。紙・絹などにひいて、墨・インク絵の具のにじむのを防ぐ。
※新猿楽記(1061‐65頃)「交易之物、売買之種、不称数唐物〈略〉蘇方、陶砂」
※東海道五十三次(1938)〈岡本かの子〉「濃く礬水(ドウサ)をひいた薄美濃紙を宛てがって」
[補注]従来、語源・歴史的かなづかいははっきりしていないが、「饅頭屋本節用集」の例などもあり、「陶砂」の濁音化とする「疑問仮名遣」の説に従って、歴史的かなづかいは「だうさ」とした。

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