出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかし,これに対しては,保守的な人々から反対があり,国語表記の伝統を守るべきである,現代語だけの便利主義の思想はよくない,発音主義は品がない,実際上発音どおりに書くことはできない,発音どおりに書くには標準語の発音を決めなければいけないが,まだそれはできていない,外国でもつづり字改良運動は成功していない,歴史的仮名遣いはむずかしくない,などの論があったが,第2次大戦後の混乱時に現代かなづかい案が内閣訓令として公布され(1946),官庁の文書に用いられるにいたり,新聞,雑誌がこれに協力し,義務教育の教科書がこれに追随した。契沖の定めた歴史的仮名遣いは,はじめて契沖が唱えて実行してから200年以上を経過し,楫取魚彦(かとりなひこ)の《古言梯》その他の補訂があり,明治時代に入ってからは国語調査会の《疑問仮名遣》が作られて,問題になる単語の仮名の正しい表記の仕方を研究して定めてある(〈疑問仮名遣い〉の項目参照)。それゆえ,一つの安定した体系を保っているものであるが,すでに発音と仮名との離れが大きいうえ,歴史的仮名遣いだけが日本語の古来の唯一の仮名遣いなのではない。…
※「疑問仮名遣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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