礬水(読み)ドウサ

デジタル大辞泉 「礬水」の意味・読み・例文・類語

どう‐さ〔ダウ‐〕【礬水/陶砂】

明礬みょうばんを溶かした水に、にかわをまぜた液。墨や絵の具などがにじむのを防ぐために紙・絹などに塗る。

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精選版 日本国語大辞典 「礬水」の意味・読み・例文・類語

どう‐さダウ‥【礬水・陶砂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「とうさ」か ) 古くは明礬(みょうばん)のこと。後には明礬をとかした水に膠(にかわ)の液をまぜたものをいう。紙・絹などにひいて、墨・インク・絵の具のにじむのを防ぐ。
    1. [初出の実例]「交易之物、売買之種、不称数唐物〈略〉蘇方、陶砂」(出典:新猿楽記(1061‐65頃))
    2. 「濃く礬水(ドウサ)をひいた薄美濃紙を宛てがって」(出典:東海道五十三次(1938)〈岡本かの子〉)

礬水の補助注記

従来、語源・歴史的かなづかいははっきりしていないが、「饅頭屋本節用集」の例などもあり、「陶砂」の濁音化とする「疑問仮名遣」の説に従って、歴史的かなづかいは「だうさ」とした。

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百科事典マイペディア 「礬水」の意味・わかりやすい解説

礬水【どうさ】

ミョウバン水溶液に(にかわ)を加えた液。日本画等の彩色に際し紙や絹の表面に引いて墨や絵具のにじみを防ぐ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「礬水」の意味・わかりやすい解説

礬水
どうさ

水に少量の膠 (にかわ) と明礬 (みょうばん) を溶かしたもの。絵画制作などの際あらかじめ紙や絹の上に塗っておき,墨や水性彩料のにじみを防ぐ。

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普及版 字通 「礬水」の読み・字形・画数・意味

【礬水】はんすい

明礬水。

字通「礬」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の礬水の言及

【日本画】より

…この作業を箔を〈あかす〉という。このようにして扱いやすくなった箔を,数度膠液を塗った紙,絹の画面上に,どうさ(礬水)液などで貼ってゆく。 古代から仏画などにみられる切(截)金(きりかね)は,仏師箔とよばれる銀を多く含んだ厚い箔と金箔を炭火で焼き合わせた後,軟らかな鹿皮の上にのせ,竹刀で細く切り,2本の筆を使って文様を描いてゆく技術である。…

【ミョウバン(明礬)】より

…今日でも紙のサイズ剤のpapermaker’s alumと呼ばれる物質は硫酸アルミニウムそのものである。また和紙のにじみ止めに用いられる礬水(どうさ)(陶砂)という物質はミョウバンをにかわで溶いたものである。なお〈明礬〉は〈透明な礬類〉の意である。…

※「礬水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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