社会的市場経済(読み)しゃかいてきしじょうけいざい

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会的市場経済
しゃかいてきしじょうけいざい
soziale Marktwirtschaftドイツ語

ドイツの経済学者W・オイケンやW・レプケによってネオリベラリズムの立場から提唱された経済政策理念であるが、現実に1948年の通貨改革以後、経済相L・エアハルトの下で旧西ドイツの経済政策を強力に方向づけた理念として名高い。それは、どのような中央管理も人間の自由と対立するものとして計画経済を否定すると同時に、かつての経済的自由主義も、結局、独占を生み出して不安定な大衆の生活をもたらす「非社会的な市場経済」であるとして退け、競争秩序を基盤としつつも、市場形態を含む社会的秩序の形成・維持については強力に国家施策を行うべきであるとした。こうした秩序思想(オルドーOrdo)の下に旧西ドイツは、健全通貨原則の維持、反独占の競争制限防止法や中小企業分野確定法の制定、労働者財産形成政策、経済基盤政策などに力を注ぎ、奇跡的な経済復興と成長を成し遂げたのである。[一杉哲也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の社会的市場経済の言及

【ドイツ連邦共和国】より

… アデナウアーの統治期は,驚異の経済成長の時代となった。経済相のエアハルトは,社会的市場経済を経済政策の理念に据えて,企業家の自由意志と自発性による企業活動を促進させた。しかし同時に自由競争からおこる社会問題の発生を是正するために社会政策にも力が入れられ,年金制度の充実,戦争犠牲者の救済,社会住宅建設が進んだ。…

※「社会的市場経済」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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