ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神人協力説」の意味・わかりやすい解説 神人協力説しんじんきょうりょくせつSynergism 回心は,神の恩恵と人間の自由意志との協同によって果されるという説。古くはアウグスチヌスと論争したペラギウスにみられる主張であるが,16世紀のルター派の神学者メランヒトンが,最初の教義学の書『ロキ・コンムネス』や『アウクスブルク信仰告白』で述べたのを,彼の一派フィリップ派のプフェフィンガーがさらに強く主張した。この説はルター派の神学者の間に一大論争を引起したが,神の前には人間の自由意志は存在しえないとするルターの恩恵論『奴隷意志論』の立場に立つ人々によって最終的に否定された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by