日本大百科全書(ニッポニカ) 「福安」の意味・わかりやすい解説
福安
ふくあん / フーアン
中国、福建(ふっけん)省北東部の県級市。人口は57万2000(2015)。西は寧徳(ねいとく)市に接し、南は三都澳(さんとおう)に臨み、北は浙江(せっこう)省に接する。寧徳地級市に属し、市政府所在地の城北街道をはじめ城南街道、陽頭街道、城陽鎮などは省北東部の政治、経済、交通の中心地で、とくに道路交通の要地である。市内に鉄鉱石、モリブデンなどの地下資源があり、モーター、造船などの工業が立地する。紅茶、酒、刺しゅう、漆器などの伝統工業も盛んで、農産物ではジャスミン、アサ類、カキ、柑橘(かんきつ)類と茶を産し、省内では泉州(せんしゅう)市安渓(あんけい)県に次ぐ茶畑地区として知られる。市北西部には「名山奇峡」と称される白雲山がある。同山を含む地質公園は2009年に国家級風景名勝区に指定され、2010年には「寧徳ジオパーク」として世界ジオパークに認定された。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年3月21日]