朝日日本歴史人物事典 「福野七郎右衛門」の解説
福野七郎右衛門
生年:永禄1?(1558)
安土桃山時代の柔術家。講道館柔道の源流のひとつ,起倒流柔術の実質上の創始者。摂津国浪華(大阪市)に生まれる。幼名を友善,のち正勝と称した。柳生宗厳より新陰流剣術を学び,天正10(1582)年ごろ印可(免許の類)を許された。幼少より相撲を好んだと伝えられており,そのためか剣よりも柔に進んだ。貞心流の寺田定安より皆伝を受けたとも,帰化人陳元贇に学んだともいわれ,福野流を唱えた。流名を起倒流に改めたのは,3代目の寺田正重とされる。投げ技を基本とした同流の組打は,のちの講道館柔道にも引き継がれた。<参考文献>錦谷雪『日本武芸小伝』
(早川史生)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報