日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋の四辺形」の意味・わかりやすい解説
秋の四辺形
あきのしへんけい
秋の夜空に見える四つの明るい星を線でつなぐとできる四辺形。ペガスス座のα(アルファ)星マルカブ、β(ベータ)星シェアト、γ(ガンマ)星アルゲニブとアンドロメダ座のα星アルフェラッツで構成され、「ペガススの四辺形」ともよばれる。アンドロメダ座の星が一つ入っているが、これはこの星が以前にペガスス座と共有されていたことの名残(なごり)である。「秋の四辺形」は星座ではなく、秋を代表する星の並びであるが、みつけやすいので、秋の星座を探す目印に使われる。11月初旬の午後7時ころに東の空に、午後8時ころに南東の空に、午後9時ころに真上の空に見える。シェアトとマルカブを結び、マルカブのほうに線を伸ばすと秋の空唯一の1等星であるみなみのうお座のフォーマルハウトをみつけることができる。また、四辺形のすぼまった方向を延長すると北極星をさし、方位を知ることもできる。
[山本将史 2021年7月16日]