秋田藩採集古文書(読み)あきたはんさいしゅうこもんじょ

改訂新版 世界大百科事典 「秋田藩採集古文書」の意味・わかりやすい解説

秋田藩採集古文書 (あきたはんさいしゅうこもんじょ)

秋田藩藩士に家蔵の文書,記録,系図等を提出させ,謄写,編纂した古文書集。1696年(元禄9)秋田藩主佐竹義処が開始した佐竹家譜編纂事業の一環として作成され,後年の追加編纂部分を含めて67冊を数える。第1巻に文書目録,次に佐竹氏あて文書の集成たる御文書6冊,以下佐竹一門一家,重臣,旗本諸士の順に家別,編年で編纂した60冊を配する。御文書6冊は藩主佐竹家に所蔵されていたもので,東大史料編纂所所蔵の佐竹文書はその影写本。他の61冊は秋田県立図書館に移管されている。史料編纂所所蔵秋田藩採集文書はその中の34冊を謄写したもの。県立図書館所蔵の秋田藩家蔵文書40冊は,上記の家蔵文書67冊等を1928年樋口九三が編纂し直したもの。家蔵文書67冊は東国中世史の一大史料であるが全面的な翻刻はまだなされていない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android