種子はさみ(読み)たねはさみ

事典 日本の地域ブランド・名産品 「種子はさみ」の解説

種子はさみ[金工]
たねはさみ

九州・沖縄地方、鹿児島県の地域ブランド。
西之表市で製作されている。1543(天文12)年、種子島に洋式鋏が鉄砲とともにもたらされた。この洋式鋏の柄の部分に和式鋏の様式をとり入れて左右対称の形にしたもの。種子島は良質の砂鉄に恵まれ製鉄技術の発達した島であったため、切れ味に優れ、程良い重量感ある種子はさみが生まれた。特徴的なのはワカシツケと呼ばれる鋏の刃づくり。軟鉄に鋼をのせる日本刀造りの技法が使われている。鹿児島県伝統工芸品。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

世界大百科事典(旧版)内の種子はさみの言及

【西之表[市]】より

…種子島家歴代の墓地御拝塔(おはあとう)と菩提寺の本源寺,若狭公園,西岸の住吉のガジュマル防潮林などの名所がある。また東町や池田にはかつて種子島銃を作った鍛冶町があり,現在は特産品の種子鋏を生産する。住吉には江戸時代に鉄分の多い島の土を用いて甕,食器,唐獅子などを焼いた能野(よきの)焼の窯跡がある。…

※「種子はさみ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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