西之表市(読み)ニシノオモテシ

デジタル大辞泉 「西之表市」の意味・読み・例文・類語

にしのおもて‐し【西之表市】

西之表

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「西之表市」の解説

西之表市
にしのおもてし

面積:二〇五・七〇平方キロ

種子島の北端に位置する。東と北東部は太平洋に、西と北西部は東シナ海に面し、南は熊毛くまげ中種子なかたね町。西方一二キロの海上には馬毛まげ島が浮ぶ。市域は南北二五・二キロ、東西八・二キロで、周囲は六〇・八キロ。西京さいきよう川・みなと川・川脇こうわき川などおもな河川は東流して太平洋に注ぐ。ほかに西流して東シナ海に注ぐ甲女こうめ川もあるが、いずれも二級河川で、流路延長も八キロ前後である。甲女川は市域の水瓶として重要な役割をもち、川脇川は水量が多く、落差も大きいことからかつて水力発電用の水資源として活用されてきた。市街地に隣接して西之表港が発達。旧港と新港があり、旧港は製氷工場や水揚場の完備した専用漁港、新港は五〇〇〇トン級一隻と二〇〇〇トン級一隻が同時に接岸できるバースをもち、海上交通の拠点となっている。島を縦断する国道五八号や縦横にめぐらされた県道が市域を通り、それぞれに定期バスが運行されている。

〔原始〕

東海岸は台地状をなして断崖に富み、西海岸は砂丘・段丘が発達している。一般的に段丘上は縄文時代の遺跡、海岸部は弥生・古墳時代の遺跡が多い。市街地の中央台地、本城ほんじようで昭和二九年(一九五四)曾畑式土器が発見されて以来、市内各地の段丘から縄文前期から後期にかけての土器が磨製石斧・凹石・叩石などを随伴して出土している。縄文時代の遺跡は草創期から晩期の各時期にわたっているが、多くは南九州と同じ土器文化圏に属している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西之表市」の意味・わかりやすい解説

西之表〔市〕
にしのおもて

鹿児島県南部,種子島北部にある市。 1958年市制。中心市街地の西之表は北西岸にあり,鎌倉時代から種子島氏の居城地として繁栄した。現在も熊毛支庁など国や県の出先機関がおかれている。西之表港は 60年重要港湾に指定。サツマイモを中心に,サトウキビ,オランダエンドウ,ジャガイモ,ピーマン栽培などの農業が主産業。デンプン製造工場,製糖工場があり,また乳牛も多く,牛乳加工工場もある。水産資源も豊富で沿岸漁業が中心。伝統工芸品に種子島鋏 (たねがしまはさみ) がある。火縄銃のコレクションなど歴史資料を展示する種子島開発総合センター,メヒルギ自生地,ガジュマル防潮林,能野 (よきの) 浜など観光資源も多い。天然記念物のアカヒゲが生息する。毎年7月下旬に行われる鉄砲祭りは有名。国道 58号線が通る。面積 205.66km2。人口 1万4708(2020)。

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