穆棱(読み)ぼくりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「穆棱」の意味・わかりやすい解説

穆棱
ぼくりょう / ムーリン

中国、黒竜江(こくりゅうこう)省南東部の県級市。牡丹江(ぼたんこう)地級市に属し、同市の東北東80キロメートル、ウスリー川支流の穆棱河がつくる盆地に位置する。常住人口29万3271(2010)。市政府所在地は八面通(はちめんつう)鎮。朝鮮族の水田が多く、ほかにトウモロコシ大豆山地では木材を産する。北東30キロメートルの穆棱(梨樹溝(りじゅこう))炭田は、1928年に薪炭不足に悩む旧東支鉄道が開発した。ジュラ紀の弱粘結性瀝青炭(れきせいたん)で、埋蔵量は1000万~2000万トンとされる。近年、ロシアとの貿易重点が置かれ、ロシアへの輸出品として木製家具やプラスチック、建築材料などが生産されている。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android