穏しい(読み)おだしい

精選版 日本国語大辞典 「穏しい」の意味・読み・例文・類語

おだし・い【穏】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おだ〘 形容詞シク活用 〙
  2. 人の心や性質、作品の内容などが落ち着いている。安心である。穏和、穏健である。
    1. [初出の実例]「家といふ物は、券もたる人より外にしる人なきと聞きしかば、おだしう思ひて」(出典:落窪物語(10C後)三)
  3. 物事の状態が落ち着いて静かである。平穏である。
    1. [初出の実例]「みな人あめの下おだしきにほこりて」(出典:唐物語(12C中)下)
  4. 穏当である。道理にかなっている。
    1. [初出の実例]「九郎に放ち合せてきらせ給ふ条、甚だおだしからず」(出典:義経記(室町中か)六)

穏しいの語誌

→「おだいか(穏)」の語誌

穏しいの派生語

おだし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

うだし・い【穏】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙 ( 「おだしい(穏)」の変化した語 ) おだやかである。のんびりしている。
    1. [初出の実例]「京大坂の茶や風呂屋が布袋の土人形をまつるのも、愛敬第一にうだしうなるを願ふゆへとなり」(出典:浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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