空人(読み)うつじん

精選版 日本国語大辞典 「空人」の意味・読み・例文・類語

うつ‐じん【空人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「うつけた人」の意で ) 江戸時代遊里で野暮な遊客を軽蔑的に呼んだ称。
    1. [初出の実例]「大坂の色町うつじんといへるはすこしうつけたる人の義也」(出典:浮世草子・新吉原常々草(1689)上)
    2. 「とり所なき空人(ウツジン)も金が光らすびんつきや」(出典洒落本・傾城買談客物語(1799)二)
  3. ( 「うつつをぬかす人」の意にとって ) 遊里にあそぶ者。嫖客(ひょうかく)
    1. [初出の実例]「期太鼓報罷。郭中之漂客(ヒョウカク)(〈注〉ウツジン)別袂於東門」(出典:洒落本・瓢金窟(1747))

うつけ‐びと【空人】

  1. 〘 名詞 〙うつけもの(空者)〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「無器用な人ぞ。うつけ人ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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