空輸作戦(読み)くうゆさくせん(その他表記)airlift operation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「空輸作戦」の意味・わかりやすい解説

空輸作戦
くうゆさくせん
airlift operation

航空機により部隊物資を迅速に輸送する作戦。離れた戦場で速やかに軍隊をつくりあげるときなどにはとくに有効である。陸上輸送海上輸送に比べると、運ぶことのできる量に限りはあるが、速度が著しく速いという特性がある。航空機による輸送作戦は、第二次世界大戦で行われるようになったが、1948年のベルリン封鎖に対する緊急輸送の成功で、その重要性を再認識させた。

 空輸作戦を大きく分けると、戦略空輸と戦術空輸になる。戦略空輸は、大量の物資を後方の補給基地から前線の集積施設へ運ぶもので、通常は長距離になる。戦術空輸は、戦略空輸により集積施設に運ばれた物資を、さらに前線の各地に輸送するもので、末端の組織に兵員資材、物資を分配するもの。未整備の飛行場もあるため、非舗装滑走路の使用能力や短距離離着陸能力も必要になる。また着陸できないような場所への補給では、空中投下も行う。状況によっては、大型の輸送ヘリコプターを使っての端末空輸も実施される。近年では、戦略空輸と戦術空輸の両能力を兼ね備える、高性能の大型輸送機も開発・実用化されている。

[青木謙知]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む