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空軍 くうぐんair force

翻訳|air force

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

空軍
くうぐん
air force

航空機,飛行船,気球,ミサイルなど空中を飛ぶ兵器をおもな戦力とする独立した軍をいう。第1次世界大戦中に軍用機は大きな進歩を遂げ,ヨーロッパ各国に空軍新設の機運を高めた。イギリスでは 1912年に航空機部隊 Royal Flying Corpsを新設,1918年に大戦中の臨時措置として空軍省と空軍 Royal Air Force (RAF)が生まれた。イタリアでは 1923年に空軍省が生まれ,空軍 Regia Aeronauticaがつくられた。フランスも 1928年に空軍省,遅れて空軍 Armée de l'airができた。ドイツは 1935年にベルサイユ条約を一方的に破棄して再軍備宣言を行ない,空軍 Luftwaffeを置いた。アメリカ合衆国は 1907年に陸軍通信隊に航空部 Aeronautical Divisionを設け,その後,陸海軍航空隊が生まれ,1947年に空軍 United States Air Forceとして独立した。日本は第2次世界大戦まで独立した空軍はなく,陸海軍に航空隊として所属していた。日本の陸海軍航空隊の初出動は 1919年のチンタオ (青島) 攻撃である。戦後,自衛隊が創設されたときに航空自衛隊が独立の空軍として編制された。第2次世界大戦以後はミサイルが登場して全面戦争の主役となり,有人機は主として戦術的な役割を与えられることになった。しかし戦略爆撃機は依然として,大陸間弾道ミサイル ICBM,潜水艦発射弾道ミサイル SLBMとともに三本柱の一つとなっている。 1991年の湾岸戦争では空軍の力が大いに発揮された。

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デジタル大辞泉の解説

くう‐ぐん【空軍】

航空兵力を主力とし、空中における戦闘を主任務とする軍隊

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百科事典マイペディアの解説

空軍【くうぐん】

航空機をおもな戦闘手段とし,空中作戦,地上攻撃,海上攻撃を行う軍事組織。航空機が実用化された20世紀初めから,これを軍用に使うことが研究され,1907年アメリカ陸軍に航空部隊が創設され,翌年ライト兄弟の飛行機が1機配置された。
→関連項目軍隊軍用機

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デジタル大辞泉プラスの解説

空軍

1943年公開のアメリカ映画。原題《Air Force》。劇場未公開。監督:ハワード・ホークス。第16回米国アカデミー賞編集賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

くうぐん【空軍 air force】

一般に軍隊は陸軍,海軍,空軍の3軍で構成されており,通常,空軍は航空機,ミサイルをおもな武器とし,主として空中,宇宙空間を活動の舞台としている。またアメリカの戦闘空軍,太平洋空軍,第5空軍などのように,上記空軍の編制上の部隊単位名としても使用される。なおair forceは陸・海・空軍の全航空部隊を総称する言葉としても使用される。
沿革
 近代軍は陸軍に始まり,次いで海軍が生まれた。1903年アメリカのライト兄弟による動力飛行機の初飛行以降,世界の列強は航空機の軍用化につとめ,第1次世界大戦で軍用機は陸・海軍に所属し,開戦当初は偵察を主としたが,やがて空中戦闘,爆撃などに使用され注目を浴びた。

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大辞林 第三版の解説

くうぐん【空軍】

航空機・ミサイルなどにより、空中および宇宙における作戦を主任務とする軍隊。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

空軍
くうぐん
air force

主として航空機およびミサイルを使って、空中ないし宇宙を活動領域とする軍隊の名称。陸軍、海軍と対比する軍種であるが、独立空軍としての歴史がそれらより浅いことから、陸・海軍の編成下にある航空部隊までを総称して使われることもある。これは、各国の空軍が任務として課せられている範囲がそれぞれ相違していることにもよる。一般的には航空優勢(制空権)の獲得、戦略目標や地上・海上の戦術目標の攻撃・破壊、防空などを行って、戦争目的の達成に寄与し、その力によって戦争を抑止するのが空軍の任務であるが、ロシアでは戦略ロケット軍、国土防空軍が空軍と分離した軍種になっているし、イギリスなどでは、洋上哨戒(しょうかい)が海軍ではなくて空軍の任務に入る。前線の陸軍部隊を支援するヘリコプター兵力とか、防空ミサイルの所管とかは各国で異なり、空軍の任務範囲が相違してくる。
 航空機が初めて戦争に参加したのは第一次世界大戦で、当時は陸・海軍の一部であった。大戦後、航空機の重要性が認識されて、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ諸国で独立の空軍を創設した。ただ海軍の艦載用機や基地防空用機については、海軍航空隊として分離する形をとった。これに反して日本、アメリカなどは、強大な海軍力をもって海洋作戦を主とする海軍の航空部隊兵力が大きいため、依然として陸・海両軍への分属主義をとったままであった。第二次大戦では戦略航空部隊が活躍し、とくに核爆弾の出現によって戦略攻撃力は従来とまったく違う意味をもつようになった。これを契機にアメリカでも1947年に空軍が独立し、以後独立空軍の編成が世界の大勢になった。ただ海洋国は依然として相当な兵力をもつ海軍航空隊を維持しているし、陸軍も相当数の陸戦直接協力の航空機を保有している国が多い。強大な陸軍兵力をもつロシアが陸軍航空隊をもっていないのは例外で、むしろ空軍(前線航空部隊)の陸軍に対する従属性を示すものともいえるかも知れない。
 空軍の作戦部隊は、(1)戦略航空部隊、(2)戦術航空部隊、(3)防空部隊、(4)空輸部隊に区分され、ほかに支援部隊として、(1)飛行訓練部隊、(2)技術訓練部隊、(3)技術開発・実験部隊、(4)通信・管制部隊、(5)補給部隊などをもつのが通常である。海軍の航空部隊には、(1)空母打撃部隊、(2)哨戒・対潜部隊、(3)上陸支援部隊などがあり、陸軍の航空部隊には、(1)指揮・連絡部隊、(2)前線直接協力・攻撃部隊、(3)輸送・ヘリボーン支援部隊などがある。海・陸軍の航空部隊の機能の一部が、国によって空軍の部隊に含まれるのは前述のとおりである。
 戦略航空部隊には、大型の戦略爆撃機、長距離用の戦略偵察機、これらを支援する空中給油機、そして戦略核攻撃用の大型弾道ミサイル(ICBM、IRBM)などの各部隊が含まれる。最近はアメリカ、ロシア両国以外は戦略攻撃力の主体を弾道ミサイルに移し、大型爆撃機を廃止する傾向にあるが、米ロ両国(あるいは中国も)は将来とも大陸間弾道ミサイルと有人爆撃機、それに海軍の潜水艦発射弾道ミサイルの三本柱を、戦略攻撃力の中枢として維持する方針のようである。ただし旧ソ連では、戦略弾道ミサイル部隊を1959年から分離し、戦略ロケット軍とよぶ独立軍種にした。また最近は、戦略偵察機のほかに、空中レーダー早期警戒機や、指揮・管制用の特殊機も主要な機種になってきている。
 戦術航空部隊は、戦場制空用の戦闘機、戦闘爆撃機や攻撃機、戦術偵察機、観測機や空中戦術統制機、救難機などの部隊で構成され、戦域作戦支援用の輸送機も指揮下にもつことが通常である。通常爆弾や核爆弾を使っての戦術目標の攻撃、陸・海作戦への協力などを主目的とし、ロシアでは前線航空部隊とよばれて、地上の各軍管区に配属されている。最近の傾向としては、局地のゲリラ戦などに備えて専用の対ゲリラ戦機(COIN機)などを装備したり、電子偵察や電子妨害にあたる電子戦用機などを重視する装備が目だつ。
 防空部隊は、防空戦闘機、地対空ミサイルで来襲機に対する要撃戦闘にあたるため、レーダー警戒、管制・指揮の施設も重要な部隊の構成要素になる。最近はその担当範囲が大気圏外にまで拡大され、人工衛星を使った弾道ミサイル早期警戒・探知、相手の偵察衛星に対する追跡、衛星や弾道ミサイル要撃などの機能ももっている。アメリカ空軍では1968年に従来の防空軍団を宇宙航空防空軍団に改組し、77年にこれが解体されたとき、有人機防空機能を戦術航空軍団に、宇宙監視防衛機能を戦略航空軍団に移したが、今日では戦略・戦術作戦機と弾道ミサイルの軍団に分割し、おのおのが独立した司令部を有している。
 空輸部隊は、指揮・管理機構を一元化し、輸送機の能力を最大限に発揮させようとするのが各国の傾向で、空軍、陸軍、海軍の全部隊の輸送支援を一括担当する第四軍的な性格をもたせており、陸・海軍や戦域部隊への分属は最小限にとどめている。このため、アメリカの緊急展開軍(RDF)の空輸とか、戦略物資や補給物品の空輸、各国で陸軍に所属する空挺(くうてい)部隊の輸送などは、すべて空軍の空輸部隊の担任になっている。[青木謙知]

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