突上窓(読み)つきあげまど

精選版 日本国語大辞典 「突上窓」の意味・読み・例文・類語

つきあげ‐まど【突上窓】

〘名〙
① 戸の上端を鴨居蝶番などでとりつけ、棒で突き上げてあける窓。突き上げ戸になっている窓。突き出し窓。
評判記・嶋原集(1655)梅之部「色黒く。唇つきあけ窓のことし」
屋根一部を切り破って、明かり取りとした、窓蓋のある戸。茶室などに用いられる。
※俳諧・徳元千句(1632)茶湯之誹諧「川風はつきあげ窓に吹入て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の突上窓の言及

【千道安】より

…茶人としての道安は,京都伏見での茶匠としての活躍や,1601年(慶長6)細川三斎からその領国豊前で300石の知行を与えられたことなどが知られる。また道安の茶は,小座敷に突上窓(天窓)をあけたり,土器であった灰匙(はいさじ)を金にして柄をつけたり,四畳半座敷の床を4尺3寸にちぢめたり,客座,点前座の間に中柱を立て仕切壁を付けて火炉口をあける道安囲いを構成したりというように,つねに作意工夫が凝らされている。【筒井 紘一】。…

【茶室】より

…こうした種々な床の姿は,床構え自体のわび化をのみ意図したものではなく,座敷全体の構成に及ぼす影響が考えられている。
[窓]
 草庵茶室の窓には下地窓,連子窓,突上窓の3種類がある。壁を塗り残してあける下地窓は,位置も大きさも自由に定めることができるので,室内に微妙な明暗の分布をつくり出すことができる。…

※「突上窓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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