板戸,障子,襖などの引戸を建てるために開口部の上方に取り付けられた溝付きの横木をいう。かつては鴨柄(かもえ)とも称した。総体に古いものは厚く,時代が下ると薄くなる傾向がある。細木を打ち付けて溝を造るものもあり,これを付溝(つけみぞ)といい,細木を付樋端(つけひばた)という。丈が幅より大きく(20~60cmほど),束(つか)を立てて上方の荷重を受けたりするものを差鴨居(さしがもい)または差物という。これは柱を省略して開口部を広く取るためと,柱間を固めるための構造材でもあり,近世の民家や寺院の庫裏(くり)などに多用され,時代が下るほど丈が高くなる傾向がみられる。雨戸などを建てる一本溝のものは一筋鴨居という。また,鴨居と同じ高さにあって開き戸や開放の開口部に取り付けた溝のない横木は無目鴨居(むめがもい),開口部に続く壁面に鴨居に合わせて取り付ける化粧材を付鴨居(つけがもい)という。
執筆者:浜島 正士
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開口部の上部を区画する横材。和風住宅では厚さ4センチメートル程度、幅は柱の太さの7分の6(室町時代から桃山時代)あるいは10分の9(江戸時代)が普通である。引き戸をたてる場合には樋端(ひばた)とよぶ細い桟を打って溝をつくった。初め、引き違いの場合にも樋端2本で一筋の溝をつくる場合もみられたが、欄間の障子のように厚さの薄い建具以外は引き戸1本ごとに溝をつくるのが普通になる。江戸初期には、鴨居に直接溝を掘るようになる。下に建具を入れないときに用いる溝のない鴨居を無目(むめ)、壁の部分の襖(ふすま)などの鴨居と同じ高さにつけた同じ厚さの横材を付(つけ)鴨居、胴差(どうざ)しなど背のある横材に溝を掘ったものを指(さし)鴨居、一本溝で幅が狭く、鴨居の外面に取り付けた雨戸の鴨居を一筋(ひとすじ)とよんでいる。
[平井 聖]
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