立方最密充填(読み)りっぽうさいみつじゅうてん(その他表記)cubic closest packing

日本大百科全書(ニッポニカ) 「立方最密充填」の意味・わかりやすい解説

立方最密充填
りっぽうさいみつじゅうてん
cubic closest packing

同寸法剛体球の三次元最密充填構造の一種。剛体球の二次元最密配列を積み上げる際に、第一層に生ずる2種の球間のすきま上に順次第二層、第三層を重ね、第四層が第一層の真上になる配列でつくられる充填構造である。各球の中心を格子点とした格子構造が面心立方格子となるところから立方最密充填という。球の半径をrとすると、単位格子

立方体となり、正味4個の球が単位格子内に含まれるので、充填率は

となり、この値は六方最密充填の場合と同じである。

[岩本振武]


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世界大百科事典(旧版)内の立方最密充填の言及

【最密充てん(最密充塡)】より

…ABの繰返しで表されるものは,ACのそれと同じ型式になり,六方晶系の格子がつくられるので,この様式を六方最密充てん構造hexagonal closest packing of spheres(hcpと略す)という。またABC(またはACB)の繰返しの積み重ね方は,層に垂直な方向を対角線とする面心立方格子の構造となるので,この様式を,立方最密充てん構造cubic closest packing of spheres(ccpと略す)という。以上の2型式は,ともにすべての球が,空間群(結晶)の1種の同価点で表せる。…

※「立方最密充填」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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