立華(読み)りっか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立華」の意味・わかりやすい解説

立華
りっか

生け花の一様式名。桃山時代に佗びの精神が強調された一方で,新興武士たちの豪華希求があり,佗び精神の衰退に乗じて,16世紀末に池坊初代専好が先駆となり,江戸時代初頭,17世紀に,2代専好によって大成された古典的様式の生け花。形式には立華,砂の物,胴束 (どうつか) の3類型があり,形態は球 (卵) 型の完全性が追究された。現在伝承される形態は半月 (半球) 型で 17世紀末の生花 (せいか) 追究の影響を受けたもの。2代専好の立華作品図は曼殊院,陽明文庫などに多数残っており,門下も大住院以信,安立坊周玉,河井道玄など多彩である。

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世界大百科事典(旧版)内の立華の言及

【池坊】より

…池坊には3人の専好があった。桃山時代の初代から江戸時代にかけて,〈専好(初世)―専好(2世)―専存―専養―専好(3世)―専純〉とつづくが,初世専好は古い作風のたてはな(立花)にたいして,新しい花形のりっか(立華,立花)を起こし,七つ道具の役枝をあみだして様式を整備した。これを大成したのが2世専好である。…

【立花】より

…いけばな様式の一つ。立華とも書く。花道成立以前から行われていた花,草,木を花瓶に〈立てる〉形式から,古くは〈たてはな〉と呼ばれ,室町時代には定式化した。…

※「立華」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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