デジタル大辞泉 「生花」の意味・読み・例文・類語
いけ‐ばな【生(け)花/▽活け花】
[類語]華道・挿花・お花・花・フラワーアレンジメント・草花・生花・切り花・盛り花・押し花・造花・ドライフラワー・花束・ブーケ・花輪・レイ・
江戸時代に成立したいけ花様式の一つ。当初は「いけはな」といい、ほかに「瓶花」「活花」「挿花」などの字をあてている。池坊(いけのぼう)では立花を略した小花という意味で「しょうか」とよぶ。またさまざまな流儀を生み出しているところから「流儀花」ともいっている。元禄(げんろく)期(1688~1704)を前後として江戸庶民の生活の向上に伴い、いけ花が遊芸として普及したところから、茶の湯の簡素な投入れ花が独立し江戸の抛入花(なげいればな)として流行をみ、やがて床飾りの花としての形式を整えるようになって生花となった。立花より簡略で、しかも一定の法則に基づくので格調をもって仕上がり、また水際を細くすっきりみせる姿が江戸の粋(いき)の美意識にも通うところから、18世紀中ごろから非常な勢いで流行し、さまざまな流派を出現させた。生花は、儒教思想を取り込んだ天地人三才格の花型によって幕府の教化政策とも合致し、後の明治教育にも引き継がれ、古典いけ花の地歩を固めて現在に至る。
[北條明直]
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「しょうか」とも。活花・挿花(そうか)とも。草花や樹木を素材に,花器とくみあわせてする表現芸術。室町時代には花材を手桶にいれて座敷飾にしたものを生花と称し,東山時代になると抛入(なげいれ)花も成立した。両者は侘茶(わびちゃ)の花として展開した。江戸中期の享保の改革後,簡略な表現法が求められ,立華(りっか)にかわる座敷飾の花として流行し,多くの流派が生じた。18世紀後半に植物の出生を理論化して,五つの役枝(やくえだ)を有する花形(かぎょう)を創出し,抛入花と区別するようになった。寛政の改革を機に役枝に天地人・序破急のような意味を付与することが形式化され,表現法が変化した。大正期に流行した盛花(もりばな)・投入(なげいれ)も生花の範疇に入るし,昭和30年代には各流派とも新しい生花を制定している。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…このころから池坊を離れて新流派を起こそうという気運がつくられていくのである。その気運は,やがて新時代の趣向に添ったいけばなの要求となり,せいか(生花)を唱える流派が起こった。池坊もついには生花を認めるようになるが,生花を立華の小花として〈しょうか〉とよび,現在に至っている。…
…富春軒が草体の立花であるとした〈砂之物〉は立花の変形で,かつての前栽の流れをくむものであるが,盤に立てられた横に構成が展開されていく形式のもので,大住院の作品にはこの形式による大作が多い。
[生花(いけはな)と抛入花(なげいれはな)]
室町期に立花に対して,法式を定めず自由なかたちにいれるものとされていた〈なげいれはな〉は,安土桃山期に茶の湯のいけばな,茶花として千利休によって確かな地位が与えられた。元禄期の町人たちのあいだには,立花とともに茶の湯が流行していた。…
※「生花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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