普及版 字通 「第(漢字)」の読み・字形・画数・意味
第
常用漢字 11画
[字訓] しだい・やしき・ただ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は弟(てい)の省文。弟は〔説文〕五下に「束(ゐそく)の第なり。古字の象に從ふ」とあり、(なめしがわ)でものを束ねる形。第は竹簡をそのように次第して綴ることをいう。それで序列・品第の意となる。邸の意に仮借し、また副詞の「ただ」に用いる。命令的にそれを選択するとき、また仮設の意がある。
[訓義]
1. しだい、ついで、竹簡を順序よく綴る。
2. 次第の順、第一・第二。
3. しな、しなの高低、品第。
4. 合格する、及第する、品第に入る。
5. 邸と通じ、やしき。
6. 但と通じ、ただ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕第 ツイヅ 〔字鏡集〕第 サイハヒ・シバラクハナル・ツイヅ・ヲク・タダ・イヘ
[語系]
第dyeiは但dan、徒da、特dk、直dikと声近く、みな副詞の「ただ」の意に用いる。また邸tyeiは〔説文〕六下に「屬國の舍なり」とあり、宿宅をいう。第を通仮して、その義に用いる。
[熟語]
第一▶・第宇▶・第屋▶・第下▶・第家▶・第館▶・第観▶・第行▶・第次▶・第室▶・第舎▶・第秩▶・第品▶・第名▶・第目▶・第門▶・第令▶・第宅▶・第内▶
[下接語]
下第・科第・家第・開第・官第・館第・起第・及第・旧第・居第・公第・甲第・高第・次第・私第・失第・升第・上第・城第・大第・治第・邸第・第・登第・入第・美第・品第・府第・譜第・別第・名第・門第・落第・里第・列第
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報