竹簡(読み)チッカン

デジタル大辞泉 「竹簡」の意味・読み・例文・類語

ちっ‐かん〔チク‐〕【竹簡】

古代中国で、紙が作られる以前に、文字を記すのに用いた細長い竹の札。また、書かれたもの。麻糸などで何枚もを綴り合わせて用いることが多かった。竹冊ちくさく

ちく‐かん【竹簡】

ちっかん(竹簡)

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精選版 日本国語大辞典 「竹簡」の意味・読み・例文・類語

ちっ‐かんチク‥【竹簡】

  1. 〘 名詞 〙 中国古代、紙の発明以前、戦国から魏晉の時代に使用された文書の記録材。竹の節と節の間を縦割りにし、単独の札として墨書するほか絹糸、麻糸で横綴にしたものを用いた。
    1. [初出の実例]「示誡多教竹簡編」(出典扶桑集(995‐999頃)七・五嘆吟并序)
    2. 「竹簡の塵を払ひ、巻舒讚仰して」(出典:御伽草子・あしびき(室町中))
    3. [その他の文献]〔書経‐孔安国序〕

ちく‐かん【竹簡】

  1. 〘 名詞 〙ちっかん(竹簡)

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普及版 字通 「竹簡」の読み・字形・画数・意味

【竹簡】ちくかん

竹札にしるした書。〔晋書、武帝紀〕(咸寧五年)郡の人不準、魏の襄王の冢を掘り、竹小篆の古書十餘言を得て、祕府にす。

字通「竹」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹簡」の意味・わかりやすい解説

竹簡
ちくかん
zhu-jian

中国古代の書写材料の一つ。紙が発明される以前に用いられたもので,竹を細い短冊形に削り,火にあぶって油抜きし,文字を書いた。普通の形式は長さ 25cm,幅 3cmぐらいである。湖南省長沙遺跡から戦国時代の竹簡が多数発見された。

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百科事典マイペディア 「竹簡」の意味・わかりやすい解説

竹簡【ちっかん】

紙が普及する以前に,古代中国で書写に用いられた長さ20〜30cm,幅1〜2cm程度の竹片。簡はもともと竹を薄く細長い形に切ったもので,同様の木片を意味する牘(とく)とともに簡牘ともいわれた。

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改訂新版 世界大百科事典 「竹簡」の意味・わかりやすい解説

竹簡 (ちっかん)
zhú jiǎn

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世界大百科事典(旧版)内の竹簡の言及

【紙】より

…ところが周代末期ごろから竹や木を短冊型に切りそろえたものを書写の材料として使用するようになった。これが〈竹簡〉であり〈木簡〉である。現在,漢代の竹簡,木簡が中国本土はもとより新疆ウイグル自治区などの辺境で多数発見されているが,漢代になると白絹を書写の材料とすることが盛行した。…

【簡牘】より

…中国で紙が普及する以前に用いられた書写材料。竹のふだを竹簡,木のふだを木牘といい,両者をあわせて簡牘とよぶ。遺物としては戦国(前4世紀)から晋代(後4世紀)まであるが,漢代のものが圧倒的に多い。…

【江陵】より

…この3墓からは700点以上の出土品があり,その中には越王句践の剣をはじめ彩絵木彫のついたて,木彫の漆瑟,金銀錯の銅器,絹織物,刺繡など当時のすぐれた工芸品が数多く含まれている。そのほか望山の両墓からは約30枚の竹簡が発見された。現在までのところ竹簡の遺物としては最古に属し,墨書された2000余字は楚の文字研究には欠かせない一等資料である。…

【木簡】より

…中国や日本などで,文字を書くために短尺(冊)形に削った木や竹の総称。竹の場合は竹簡ともいう。内容が一簡に書ききれないと何本も使って紐でしばるが,その形を象形して册(冊)と呼ぶ。…

※「竹簡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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