高低(読み)こうてい

精選版 日本国語大辞典 「高低」の意味・読み・例文・類語

こう‐てい カウ‥【高低】

〘名〙
① 物の高いことと、低いこと。
(イ) 山や樹木・背たけなどの、空間的な高さ低さ。
※菅家文草(900頃)三・賦得春之徳風「遠近吹無頗、高低至有隣」
※和漢朗詠(1018頃)上「日に瑩(みが)き風に瑩く、高低千顆万顆の玉〈菅原文時〉」
(ロ) 温度や圧力など、計器にあらわれた度合の高さ低さ。
俳諧師(1908)〈高浜虚子〉八七「近頃は熱の高低が激しくって」
② 音や声の高さ、アクセントなどの高さ低さ。
※新撰万葉(893‐913)上「高低鶯囀林頭聒。恨使下二郎辰独有上レ量」
③ 一般に物事の程度の高さ低さ。
王朝の小説的伝統(1957)〈中村真一郎〉一八「各作品に対しての当時における評価の高低も」
④ (━する) 身分や位の上下。また、その上下に応じること。
帰省(1890)〈宮崎湖処子〉七「親子は接吻し、兄弟は相馴れ、主従は高低せり」
⑤ (━する) 物事の程度や、物価・貨幣価値などが上がったり下がったりすること。また、その度合の高さ低さ。
明六雑誌‐三四号(1875)貨幣四録附言〈神田孝平〉「合衆国於て紙幣の価を昂低することを禁ぜず」

たか‐ひく【高低】

〘名〙 (「たかびく」とも)
① 高いことと低いこと。また、高い所と低い所があって、一様でないこと。でこぼこであること。こうてい
※羅葡日辞書(1595)「イシワラノ tacabicunaru(タカビクナル)トコロ
※落語・夢の後家(1891)〈三代目三遊亭円遊〉「何(ど)うも地面に高低(タカヒク)があって」
地位、身分などの高いことと低いこと。高下(こうげ)
談義本・艷道通鑑(1715)四「恋路に高下(タカヒク)のへだてはなきに」

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デジタル大辞泉 「高低」の意味・読み・例文・類語

こう‐てい〔カウ‐〕【高低】

[名](スル)
高いことと低いこと。たかひく。「音域高低
価値・程度などが高くなったり低くなったりすること。あがりさがり。「株価高低する」

たか‐ひく【高低】

《「たかびく」とも》高いことと低いこと。また、高い所と低い所とがあって平らでないこと。でこぼこ。こうてい。「高低のある道」

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普及版 字通 「高低」の読み・字形・画数・意味

【高低】こう(かう)てい

高く低く。唐・杜牧〔宣州開元寺に寄題す〕詩 寺曾(かつ)て一鶴と同(とも)に棲む 夜深くして臺殿、高低す

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