家庭医学館 「筋炎のいろいろ」の解説
きんえんのいろいろ【筋炎のいろいろ】
■多発性筋炎(たはつせいきんえん)
筋炎といえば、膠原病(こうげんびょう)の1つの多発性筋炎(「多発性筋炎/皮膚筋炎」)がまずあげられます。
成人のミオパチーのなかでは患者数も多く、診断のむずかしい病気です。
副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンがよく効きますが、中年以降に発症した多発性筋炎の半数近くが、実はがんの一症状であるのは注目すべきです。
多発性筋炎が発症した時点では、検査をしてもがんは見つからず、数年経過してはじめて、がんが見つかることが多いものです。
■炎症性筋炎(えんしょうせいきんえん)
インフルエンザなどのウイルスによるウイルス筋炎が多くなっています。最近は、エイズにともなう筋炎が注目されています。
■細菌性筋炎(さいきんせいきんえん)
レンサ球菌(きゅうきん)による電撃性の筋炎がときにマスコミに取り上げられますが、頻度はまれです。
■封入体筋炎(ふうにゅうたいきんえん)
ウイルスの感染をきっかけとしておこることもあるといわれています。しかし、一般には炎症というよりは、筋ジストロフィーのような変性疾患と考えられています。