筑後秘鑑(読み)ちくごひかがみ

日本歴史地名大系 「筑後秘鑑」の解説

筑後秘鑑
ちくごひかがみ

一冊

別称 米藩秘鑑・筑陽地鑑

写本 篠山神社文庫

解説 奧書に「安永七戊戌中秋十九少冥 久徳淡居記」、「右一冊者服部氏文政四巳年於東武写之」とあるので、原本の著者は久徳重恭(淡居)、成立は安永七年八月一九日、写本は文政四年に江戸で書写したと考えられる。久留米から書起し生葉・竹野・山本・御原・御井・上妻・下妻三潴の八郡の旧蹟地名や旧城、神社・寺院などの由来を記述する。「原書各組を区分して之を記載す。今煩ひを省き一郡を通して謄写す」とあるので、筆写時に記載方式を大庄屋の支配域である組単位から郡単位に変更したことがわかる。「御井郡荒瀬村樹□状地地蔵石仏之記」や「筑後志」「筑後地鑑」のほかに「筑前国続風土記」「小川志純筆記」「小川筆記略縁起」「夜明川原氏旧記」「旧誌」「旧記」「酒井氏所蔵旧記」「九州治乱記」「大森元嘉筆記」「大森元嘉追加筆記」「柏葉文庫」「柏葉抄録巻六 小川志純翁筆記」「里老伝説」などを引用し説明を加えている。また「○印ハ山口庫太氏の付記なり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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