…奈良時代までは,大阪市の上町(うえまち)台地西方にあった難波津(なにわづ)がもっとも重要な港湾であり,遣唐使の出帆港であり,また外国からの使節もここに到着した。大宰府の外港は娜大津(なのおおつ)(那津(なのつ))であり,付近には蕃客を接待する鴻臚館(こうろかん)(筑紫館)が設営された。瀬戸内海の航路の推定は《万葉集》にみえる遣新羅使によまれた港津地を結ぶことによって手がかりとすることができる。…
…当初は大宰博多津として,大宰府の外港的役割をはたした。ここに筑紫館(つくしのむろつみ)と呼ばれる外国使節接待のための迎賓館が置かれ,のちに鴻臚館(こうろかん)と称された。鴻臚館は外国使節,渡来人の饗応をつかさどり,遣唐使,入唐僧の宿舎にあてられた。…
※「筑紫館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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